インドを起源として西に流れていったジプシー(スペイン 語でヒターノ/gitano)は、ヨーロッパの各地を放浪し、あるものは流れ着いた場所に定住するなどしていきました。そしてとうとうヨーロッパの南西の端、スペイン・アンダルシア地方に流れ着きます。
ジプシーには芸能を得意とする人が多く、自らの伝統的な唄や踊りを持っていたことは疑う余地のないことですが、各地を放浪していく中で、その土地に元々あった芸能なども吸収していったと考えられます。
そしてアンダルシア地方に流れ着いたジプシーたちは、自分たちがこれまでに持っていたものに加えて、もともとアンダルシアにあった民謡や、かつてこの地を支配していたアラブ系民族の唄や旋律など、伝統芸能を融合していきます。
また放浪の中、ジプシーは各地で酷い迫害に遭ってきました。
その苦しみや、喜び、死や愛など、心の中の強い感情を託した唄、それがフラメンコになったとされています(※諸説あります)。
唄う人がいて、それに合わせて踊る人があらわれ、のちに伴奏のギターが加わり、徐々に洗練され、形式などが定まっていき、今日のフラメンコが形作られて行きました。